「3つ子の魂、100まで」と言いますように、幼児期は人間形成の土台を作る重要な時期です。私どもの学園では工夫した独自のカリキュラムのもと、子どもたちの一日一日を充実させ、成長させたいと考え、日々保育にあたっております。基本的生活習慣を習得し自立すると、自信がつきます。その自信があれば、知(あたま)・情意(こころ)・体(からだ)をバランス良く刺激するカリキュラムによって、子どもたちは伸び伸び、生き生き輝き、自分らしさを見つけていくことができます。
自信・自尊心を育てるためには、「私どもがいかに有意義に子どもたちと関わるか」とともに、ご家庭の力が必要不可欠です。私どもは一流の保育者集団ではありますが、子どもたちがご家庭で大好きなご家族とゆっくり過ごす時間に替わることはできません。
保護者の皆様にはお仕事等で忙しい日々のなかとは思いますが、子どもに向き合うことの大切さをご理解のうえ、私どもと協働し、車の両輪の如く、同じ方向に子どもを導き、育てる、パートナーでいていただきたいと考えています。
私は、長年、音楽指導を通じ、子どもに関わっております。音感もそうですが5感や脳は、小学校就学前までに80%は完成してしまいます。海外の調査でも、就学前教育の質によって、将来の非行性に差が生じるという結果が出たそうです。かけがえのない小学校就学前の時間を、誰と、どこで、どう過ごすか。子どもたちの将来を大きく左右する貴重な時間の一部をお預かりしているという強い自覚のもと、私たち学園職員一同、職務に向き合いたいと思っております。
その自覚と更なる研鑽意欲から、幼児教育の研究実践を深めるため、平成26年4月、メインキャンパス両国幼稚園に、付属の教育研究所「Ryogoku Preschool」を設立しました。認可保育園である姉妹園・原山保育園の運営で得たノウハウを基に、未就園児、特に、2歳児に対するカリキュラムの開発に力を入れています。各園の〝ちびっこルーム″にて、その実践も進めています。
本多宏子(兼両国幼稚園園長)
・ 東京藝術大学音樂学部樂理科卒業
・ 東京藝術大学大学院音樂研究科修了
・ 同大学助手、上野学園大学非常勤講師
を経て両国幼稚園に勤め、回向院住職である理事長と共に音楽指導を基に独自の情操教育カリキュラムを構築、現在に至る。